令和7年産 新茶にむけて 向笠農園さん



【畑の状態】
昨年の夏~秋にかけて異常な高温と干ばつが続いたので、多くの畑は一番伸ばして葉っぱを付けたい時期に生育が停止したりとダメージを受けたと思われます。
また、秋冬番の時期にも気温が下がらず、牧之原周辺地域でも早めに秋冬番を始めた工場のでは11月に5番茶芽が再萌芽してしまう畑も多く見られました。
年が明けて、1月・2月は例年になくしっかり冷え込む事が出来ましたが、引き続き降水量は少なく土壌は乾燥状態が続いています。
3月になって降雨と気温の上昇が見られ事で、昨年夏~秋に生育の良かった畑は色乗りが良くなり、生育の悪かった畑は赤茶色く色落ちが見られ、静岡県全体がそうだと思いますが、
管理の良い畑と悪い畑がハッキリと分かれて見えるような状況です。
今年は梅の開花も1~2週間ほど遅く、桜も遅くなるようなら新茶時期も遅くなると思われます。

【新茶に向けて】
今までも異常気象とは言われていましたが、特にここ1~2年の天候不良はお茶に限らず多くの農家の頭を悩ませます。毎年夏場はお茶の根を張る大事な時期なので、高温と乾ばつは翌年の品質に直結します。
向笠園では、異常気象の対策として灌水設備の設置、深耕や耕耘で土壌中への酸素供給、
夏時期の整枝作業を止めて茶の木のダメージ回復・ストレス軽減を全茶園で実施しています。
昨年のお茶は味の薄さを感じた事もあり、秋の肥料を少し変更し今のところ生育も良く
順調に来ていると思います。
味が濃く、香りが強く、煎が効く、そんな新茶を収穫出来るよう収穫前最後の管理作業をしていきます。

向笠園